Science

沈黙の選択

社会で生活を営む我々は仕事の上で他人と関わる以上は自分の意志を周囲の人たちに明確に伝えることがもとめられる。 通常は発言によって意見伝えられる事が多い。 これと共に沈黙によって伝えられる意志、もある。 議会の演説に対する沈黙、一対一の対話にお…

教授の愛した院生

生きるすべ IKIRU-SUBE 柳田充弘ブログ 5/18の話。熱血漢であった、そして今でもあり続ける、お弟子さんへの愛情あふれる逸話。永遠の闘士、と表現すべき弟子への賛辞である。荒馬を乗りこなそうとするジョッキーというべきか。しかし荒馬はやがて名馬になる…

暗黙知

N村K子氏のセミナーで目新しかった言葉「暗黙知と形式知」。 耳新しい言葉だがどうやら"tacit knowledge"という名前で40年ほど前に提唱された概念らしい。 http://www6.wind.ne.jp/mrfujii/miscell/until20/04knowledge.htm 暗黙知とは - はてなキーワー…

体育会系

今日も晴れているが自転車に乗ると空気はまだ冷たい事。バイクライドには最適なのだが今週は飲みと外食が続きいまいち力が湧かない。というわけで論文に手を入れに職場へ出かける。 とある雑談で人物のタイプを評して「体育会系」との表現がでてきた。これは…

研究心得

気になっている事を書き留めておきます。 その1:凡庸と飛躍 中学生の息子の勉強につきあって思い出したのですが、中高生の勉強でのコツの一つに「すぐ調べる」ということがあります。わからない英単語は辞書を引く、試験で解けなかった問題は忘れる前にや…

Carrier Development

先日触れたがマイルスが通っていた(しかし退学した)ジュリアード音楽院は音楽家の名門校だ。ジャズ・クラシックを問わず高名な演奏家がジュリアード出身とはよく聞く話だ。 実は私も音楽の名門校出身者と仕事をしたことがある。とは言っても音楽ではなくハ…

Logic of life

今日の論文セミナーでUさんが話の導入としてSydney Brenner (http://www.molsci.org/~sbrenner/) の講演を紹介してくれた。彼は今や現役を引退して学会の講演では科学の現状を批判的に評する漫談風の講演が人気を呼んでいる(私には退屈なのだが・・・)。と…

足跡

今日は御世話になっているT先生がある賞を受けられることになり、授賞式に行って来た。研究者が評価に値する仕事をなす条件について考えさせられた。困難だが重要な課題を見いだし、時間がかかっても解決に向けて努力を怠らないこと、だろう。多くの研究者…

Lawrence 語録

気になったせりふと表現をメモ。私なりの受け取り方をコメントします。不正確なことも、コンテクストを知らずに読むと誤解を招くこともあるので文責は私にあります。'Idea come from his observation." 90才を超して亡くなるまで現役の実験家であったVB Wigg…

Peter Lawrence

今日はイギリスMRC分子生物学研究所のPeter Lawrence博士の講演だった。ショウジョウバエの発生生物学の研究で名高い博士は科学と科学者のあり方についてのオピニオンを頻繁に発信されていることでも知られている。 今回の講演はLawrence博士がご自分の科学…

興奮できる研究成果

学会に来て連日いろいろと話を聞いている。昨夜食事の席で「びっくりするくらいおもしろい話がありましたか?」という話題になってふと考え込んだ。おもしろい話、役に立つ話、苦労話で身につまされる話、などいろいろあるが天地がひっくり返るほどの話を聞…

揺るぎない信念

この学会はドイツのChristiane Nusslein-Volhard の講演で始まった。彼女は1995年のノーベル医学・生理学賞をショウジョウバエの発生遺伝学の研究で受賞したことで知られる。 http://nobelprize.org/medicine/laureates/1995/nusslein-volhard-autobio.html …

Peer Review

週末に出勤するのは現在リバイスに入っている論文への追加データを用意するため。論文はこれからが正念場だが結局は自分の肩に責任はかかってくる。やりがいはあるが孤独な作業でもある。 仕事が完成して論文として世に公に認められるためには3つのステップ…

Influencial paper 1

Virology. 1969 Dec;39(4):930-1. Temperature sensitive mutants of an avian sarcoma virus. Toyoshima K, Vogt PK. 自分の科学観に影響を与えた仕事・論文を挙げろ、といわれれば最初の癌遺伝子同定につながるこの論文を挙げようと思う。古い論文だが学部…

私の履歴書

日経で連載中の石坂公成先生の回顧録。これがおもしろい。石坂先生といえばアレルギー反応の引き金となるIgEの発見者として有名で、アトピー、花粉症研究の先駆者として現代にますますその功績が評価されている方である。生命史研究館の記事からも先生の研究…

科学者の資格

私は生物学の研究を生業にしている科学者である。 生命科学の大御所Y先生のBlog (http://mitsuhiro.exblog.jp/)、先週始まったばかりだが同業者のあいだではすでに大反響。私がこの道に入ったに駆け出しの当時にY先生の研究室で半年間御世話になったことが…