Science

良いプレゼンを聴きたい!

http://harvardmedblog.blog90.fc2.com/blog-entry-147.html良いエントリー。口頭でのプレゼンテーションは話す人にも聞く方にとっても貴重な時間を共有する機会だ。聞き手にとって「聞いて良かった」と思わせれば成功だ。ポスター発表は通り過ぎればいいの…

Official Apple Support

なんだかこの話題が盛り上がっているようだが、私の業界にもdiscとdiskがある。imaginal disc/diskだ。appleの定義とは異なりこの場合は全く同じものを指す(=完全変態昆虫の幼虫に見られる成虫原基)。Google Scholarで探すと、 http://scholar.google.co.…

極端大仏率Returns! :: 「高学歴ワーキングプア」

博士の就職難の問題を扱って話題に話題になっている本らしいが私は読んだ事はない(予定もない)。極端大仏率 Returns! なんじゃこりゃ!? これは好きな異性と暮らす理由として,「収入が倍になるけど家賃は同じ」とか「炊事洗濯の手間が二分の一」とかをあ…

NHKスペシャル|100年の難問はなぜ解けたのか 〜天才数学者 失踪の謎〜

先ほど放送が終わったところ。グレゴリー・ペレルマンやその先人たちがポアンカレ予想を巡って演じたドラマを解説。ペレルマンの変人ぶりは強調されていたが、それよりも彼の証明にいたるまでの思考の流れをわかりやすく解説してくれた(わかった気になった…

ワトソン博士のインタビューには過剰に反応しない方が良い

ジム・ワトソン博士はDNAの二重らせんモデルの提唱者で、コールドスプリングハーバー研究所を世界的な生命科学の研究所に仕立て上げ、ヒトゲノム計画をここまで推進してきた生命科学の巨人だ。しかし彼は天才的な科学者であったと同時に奔放な発言と行動でこ…

ネアンデルタール人ゲノム配列に混入したヒト配列

マッチポンプと言う言葉がある。マッチで火をつけておいて自分で消す。二回分の仕事になり、働いた気になれるのだが残るのは徒労と焼け跡だけだ。昨日Natureのめくって読んでいたらあきれたニュースが解説されていた。 論争に火をつけたのはこちらNature. 20…

The mismeasurement and measurement of science

The mismeasurement of science Peter A. Lawrence Current Biology Volume 17, Issue 15, 7 August 2007, Pages R583-R585 http://dx.doi.org/10.1016/j.cub.2007.06.014Peter Lawrenceはたびたび生命科学の研究と研究者のあり方に対する論評を書いている。…

研究集会を終えて

月曜から三日間に渡って行われた研究集会が終わりました。今回私は組織委員ではありましたが実務のほとんどはMさんとスタッフの方々が面倒を見てくださったので発表を聞くことに集中できました。感じた事は発表のレベルが高かったこと。研究内容もですがプ…

好奇心の再活性化

岡崎でのミーティングに行ってきた。一昨日からEMBLの研究者を招いての合同集会。日本からの参加者からも良い発表が多く楽しめた。このようにはじめて聞く人の話や分野違いの発表を聞く時、いつもとは違った思考回路を働かせるように心がけている。専門的な…

Error bars in experimental biology

最近は生物学の研究でも統計的に有意な数値データなくしてはなかなか受け入れてもらえない。そこで参考になるのがこの論文。Geoff Cumming, Fiona Fidler, and David L. Vaux Published online 9 April 2007 doi:10.1083/jcb.200611141 The Journal of Cell …

必ずできる

勇気の出るエッセイです。 http://www.jstage.jst.go.jp/article/biophys/46/5/46_241/_article/-char/ja/

Why Most Published Research Findings Are False

研究の結果は間違いだらけってホント?(そんなことないですよね?) Why Most Published Research Findings Are False John P. A. Ioannidis PLoS Med 2(8): e124, 2005 http://dx.doi.org/10.1371/journal.pmed.0020124 何とも挑発的なタイトルだ。これが…

信ずれば花開く

先週、私が日本で仕事を始める時にお世話になった先生の退官講演が行われ、参加してきた。時間がたつのは早いものである。 私の大学院時代の頃はポスドクの職などもあまりなく、研究者としての地位を得るためにはどこかの研究室のスタッフとして参加する事が…

セミナーで良い質問をするために

なぜセミナーに参加するのか セミナーに聴衆として出席することの目的はもちろん優れた話を聞くためだ。しかしセミナーはそれだけではなく演者との双方向の交流の場でもある。演者にとって聴衆は単なる受け手ではなく演者の発表を批判し議論する対等な相手と…

オシム教授への質問

オシム監督の記者会見でのやりとりが紹介されている。オシムに、この質問をしたのは誰だ!: Supportista Blog「肉でも魚でもない」などと試合を評したコメントが報じられているが、この記事ではどこの記者が発したどのような質問に対して監督の言葉が発され…

こりゃー驚いた

研究所でのシンポジウム二日目。生殖細胞の分化がテーマなのだが本日最大の驚きはニジマスの生殖細胞分化の話。vasa-GFPでラベルした胚由来の生殖細胞をhost胚に移植すると生殖巣に移動して機能的な精子・卵子に分化することを示した後に、今度は成熟した雄…

研究って面白い?

先日の記事に対してこぐまさんからTBが寄せられたので補足しておきます。 日々のラボ生活では、 面白いと思って実験する時間よりは 辛いと思って実験する時間の方がトータルとしダントツに多い。 そんな当たり前のことを公衆の面前で叫んで何になるのですか…

似たようなことを最近よく思う?

まさかgardener君自身の言葉ではあるまいとは思うのだが一言返答しておく。 Be Not Afraid |そういうことで・・・ でも、研究やっている人っていつも思うけど、研究ってそんなに面白いのかな?なにが目的でやってるの? いつも不思議なんだよね。皆さんノーベ…

今日のセミナー:Cayetano Gonzalez

スペイン、バルセロナからきた本日の講演者。細胞分裂の紡錘体の研究を長年やってきた彼だが今日の話は出色。中心体の構成分子を同定し、その複製と移動パターンをショウジョウバエの神経幹細胞の非対称分裂において丹念に追跡する実験だ。通常は中心体の複…

Philly

この一週間は学会でフィラデルフィアに行っていた。ハエの専門家だけが5日間にわたって集まる学会なのだが幅広いトピックを網羅しており朝の8時半から夜まで発表が続いても飽きがこない。またPIがこまめに出てきているので情報のアップデートや大事な交渉…

経験値の引き出し

先日の国際meetingのゲストに来ていた友人の女性とこんな会話になった。「学生やポスドクが顕微鏡で標本を見てもなにも変わった事を見つけられないのに、私が見たら面白いことがいっぱい見つかるのよ」。そういえばうちのbig bossも「学生が写真でもってきた…

科学者の品格

研究者には「格」がある。その格を決めるものは研究業績であり、科学の様々な面への貢献であり、教育と人材育成への実績だ。それに加えて科学者としての公平性、不正を起こさない倫理観、間違いを受け入れる真摯さに加えて人間的魅力が大事な要素だ。今回行…

ウェブ進化論に触発されて。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)作者: 梅田望夫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2006/02/07メディア: 新書購入: 61人 クリック: 996回この商品を含むブログ (2375件) を見る Web2.0という言葉が流通しだしてからしばらくになる。…

美しい世界

「美しい国」は安部首相のキャッチフレーズだが国に限らず美しい物は世の中にあふれている。あばたもえくぼと言うが見る人の視点の持ちようで美しい世界は広がる。そして科学者はちょっぴり変わったものに美しさを感じる。 私は発生学者で組織や器官がどのよ…

純化せよ

For the Love of Enzymes: The Odyssey of a Biochemist作者: Arthur Kornberg出版社/メーカー: Harvard University Press発売日: 1991/09/01メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見る Arthur Kornbergの自伝。彼の研究スタイルと考え方が…

ノーベル化学賞

化学賞はロジャー・コーンバーグへ。遺伝子発現の基盤になる転写装置RNAポリメラーゼの構造と機能の研究に対してだ。転写制御はいずれ受賞対象になるとは思っていたがRNAポリメラーゼに対してとはちょっと意外。転写研究はRNAポリメラーゼを活性化する転写調…

罪と罰

昨夜は帰宅時に雨が降り出し濡れてしまいました。久々の雨だったのでアスファルトが水を吸って水蒸気が昇り立つ独特の匂いを嗅ぎました。自転車で通勤すると気候と天気の変化に敏感になります。 さて大隅典子さんの記事を見て大阪大学の生命機能科学研究科か…

Just say No

どう考えて良いのかまだ考えがまとまらないのだがメモ代わりに書き付けておく。 大阪大学の教授によるデータ捏造事件については大学の調査委員会が記者会見をして捏造行為の一端について説明があった。この件ではと告発した助手が研究室で毒をあおって自殺し…

真実の代償

自分の研究指導者が研究データを捏造していることを発見したら科学者はどう対処すべきか?事を荒立てずに誤ったデータを真実と主張する行為に荷担して平穏に学位を得て静かに研究室を去るのか、それとも真実に殉じて告発するのか。Scienceの9月1日号の記事…

羊頭狗肉

Human embryonic stem cell lines derived from single blastomeres | Nature あきれた話である。先日メディアを騒がせたニュースがこれだ。 http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20060824ik08.htm 人間の胚(はい)(受精卵)を壊さずに、その…